相続・遺産分割協議

相続の種類
指定相続
被相続人の意思によって決められる相続。 遺言などによる相続がこれにあたります。遺言による指定があっても遺言執行者が存在せず、相続人全員の同意があれば、遺言と違う内容での遺産分割も有効と解されています。
法定相続
遺言などが無い場合、法律の規定によって相続分を決定するものです。
相続の流れ
- 被相続人の死亡・失踪宣告による死亡(相続の開始)
- ・遺言書の有無 ・財産、債務の調査 ・相続人の確定
- 相続承認
- (相続の開始を知った日から3ヶ月以内に下記いづれかを選択しなければ単純承認とみなされる)
・単純承認 ・限定承認 ・相続放棄 - 遺産分割協議書作成
- 相続の開始
- 相続税の納付(10ヶ月以内)
遺産には積極財産(経済価値のある財産)と消極財産(いわゆる負債など)があります。
財産評価を行って、消極財産が積極財産を上回るようであれば、限定承認または相続放棄を行う必要があります。

法定相続人の範囲と順位
法律で定められた相続人は以下の通りです。遺言や遺産分割協議により、法定相続分と異なる分割も可能です
第一順位 子
実子以外に養子、胎児も含まれます。これらの間には差がありません。また、非嫡出子*1 の法定相続分も民法改正により嫡出子と同じになりました。
*1 非嫡出子
実子のうち、法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子を「非嫡出子」といいます。非嫡出子との父子関係は、認知によって発生します。一方、母子関係は認知を要しないため、子は常に母の第一順位の相続人となります。
第二順位 直系尊属
親、祖父母など。直系尊属が相続人となる場合とは、第1順位の子やその代襲相続人*2 が存在しない場合です。第1順位の相続人が存在しても、相続欠格や廃除、相続放棄により相続権を有しない場合には、直系尊属が相続人となります。
*2 代襲相続
相続人が、相続開始以前に死亡したとき、または相続欠格、廃除によって
相続権を失ったときに、相続人の子が相続人に代わって相続人となります。
被相続人の子に代襲原因が発生すれば、孫が代襲相続人となり、孫以下の直系卑属についても同じ扱いです。
ただし、兄弟姉妹の代襲相続はその子までに限定され再代襲はありません。
第三順位 兄弟姉妹
第1順位、第2順位の相続人がいずれも存在しない場合、もしくは存在しても、それらの者が全て相続欠格、廃除となったり、相続放棄をした場合です。
兄弟姉妹の中には、父母の双方が同じである兄弟姉妹 (全血) と父母の一方のみが同じである兄弟姉妹 (半血) とがあります。
半血兄弟姉妹の法定相続分は全血兄弟姉妹の2分の1となります。
配偶者
配偶者は常に相続人となります。ただし、いわゆる内縁関係は相続人とはなりません。
欠格・廃除とは
欠格
相続に関して不正な利益を得るために不法な行為をした者は相続人となることができません。
1.故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、
又は至らせようとしたために、刑に処せられた者。
2.被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。
3.詐欺又は強迫によって、被相続人の相続に関する遺言、撤回、取り消し、
又は変更することを妨げた者。
4.詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、
又は変更させた者。
5.不当な利益を得る目的で相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、
又は隠匿した者。
廃除
被相続人に対する虐待、重大な侮辱、著しい非行などがあった場合に、家庭裁判所の審判、調停によって相続権を剥奪する制度。遺言による廃除も認められています。
法定相続分
下記に最も一般的な例をあげておきます。
遺産分割協議書とは
相続の内容が決まったら、遺産分割協議書を作りましょう。遺産分割協議とは、共同相続人全員によって遺産を分割する手続きで、この協議をまとめて相続人が全員が署名、捺印したものが遺産分割協議書です。共同相続人は、被相続人が遺言で遺産の分割方法を指定した場合や分割を禁じた場合を除き、いつでも遺産の分割をすることができます。
実印のある遺産分割協議書は、相続後のトラブルを防止する以外にも、不動産などの所有権の移転登記や.相続税納付時、.被相続人の預貯金を引き出すときなどに活用できます。
遺産分割協議書作成料金
相続財産 | ||||
---|---|---|---|---|
3,000万未満 | 5,000万未満 | 1億円未満 | 1億円以上 | |
遺産分割協議書作成 | 31,500円 | 42,000円 | 52,500円 |
52,500円〜 |
財産目録作成 *1 | 21,000円 | 21,000円 | 31,500円 | 31,500円 |
相続人調査 | 21,000円〜 |
*1:不動産など鑑定や評価が必要なものについては、別途調査費が必要